TOブックスから発売されているティアムーン帝国物語4~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~ 著者:餅月望 イラスト:Gilseをご紹介します。
まだお読みでない方に、既刊15巻と短編集1巻を読んだ筆者が、感想を交えて紹介させていただきます。
価格:1399円 |
あらすじ
生徒会選挙が終了し、めでたく生徒会長となったミーア。
しかし、今度は設立を進めていた学園都市で問題が発生。帝国に戻って対応することになる。
原因はグリームーン公爵家の令嬢エメラルダによる妨害工作だった。
講師が集まらず、学園都市の計画に暗雲が立ち込める。
その時、腹心であるルードヴィッヒから彼の師匠の話を聞かされる。
感想
エメラルダの妨害によって学園都市計画に支障が出ます。
それを打開するためにルードヴィッヒは自らの師を推薦します。
そして、エメラルダ自身がミーアへと接近してきます。
ベルマン子爵やルールー族の人々も再登場を果たし、学園都市が徐々に形を成してきました。
エメラルダも直接動き出し、話も加速するところで次巻に持ち越し。
かなり緊迫した状況でしたので少し残念です。
個人的にはルードヴィッヒと彼の師匠による問答が印象的でした。
「ミーアが帝国の叡智だから仕えるのか?」と問われたルードヴィッヒ。
彼は悩みますが、前の時間軸を夢で見たことで、「ミーアだから仕える」と確信します。
前の時間軸はミーア視点で語られることが多いので、ルードヴィッヒが彼女にどんな思いを抱いていたかはわかりませんでした。
表面上は嫌味を言いつつも努力するミーアを認め、支えようとしていたことが語られました。
どちらのミーアであって仕えることに変わりはなく、彼の決意は揺るぎのないものとなります。
彼の意外な面が語られ、見方が変わりました。
学園都市とは?
ベルマン子爵領に建造されるプリンセスタウンと、そこに設立される学園。
本来はセロ・ルドルフォンのために創られる予定だったが、ルードヴィッヒの拡大解釈によって、帝国に蔓延する反農思想を打破するための学園とされました。
エメラルダの妨害工作で講師が集まらず苦境に立たされますが、ルードヴィッヒの師匠を学園長に迎えて事なきを終えます。
エメラルダの目的
学園都市に圧力をかけたり、ミーアと対立しているエメラルダですが、彼女の目的とは何なのか?
簡単に言えば「ミーアにかまってもらいたい」の一言に尽きます。
かなり捻くれた愛情表現とでも言いましょうか。
学園でできた仲間たちと楽しそうにしているミーアを見て嫉妬の炎を燃え上がらせます。
ミーアに害意はなく、むしろ仲良くしたいのが彼女の本音です。
まとめ
結末は次巻に持ち越されましたが、この話はかなり重要です。ネタバレになりますが、単なる遭難イベントではなく、物語の核心に触れるものです。
そして、ミーアが立ち向かうべきものの正体が明確になります。
気になる方は次巻も併せて読まれることをお勧めします。
価格:1399円 |