裏サンデーコミックス(小学館)より発売中の「一勝千金(原作:サンドロビッチ・ヤバ子 作画:MAAM)」第3巻をご紹介します。
裏格闘技団体「殺戮武闘会」との交流戦が描かれます。
それぞれ3人ずつ代表選手を出して勝ち星を競うルール。
殺戮武闘会側の選手も個性的な面々ばかりで盛り上がります。
そして、ヴァルキュリアからは意外なメンバーが参戦し・・・・・?
新しいキャラクターも登場し、盛り上がる第3巻!!
筆者の感想を交えてご紹介します。
ネタバレを含みますのでご注意ください。
あらすじ
惨歯組との話し合いで相手を殴り倒した姫奈。
希望とハナは絶望しますが、イチカだけは余裕を見せます。
理由は簡単。暴力団担当だった頃のツテで、仁和組の上層部に今回の件を報告したのでした。
実はハナの父親と仁和組の会長は無二の親友。
会長はハナのことも娘のように気にかけていたのでした。
今回の件を知った仁和組若頭である李昭信(り・あきのぶ)は、惨歯組の井上を呼び出します。
本部長の剛野剛(ごうの・ごう)と共に井上を叱責しました。
そして、今回の詫びとしてヴァルキュリアと、殺戮武闘会(さつりくぶとうかい)による交流戦を提案します。
交流戦の申し出にやる気を見せるヴァルキュリア一同ですが・・・。
なんと選手が足りないという事態に直面(1DAYトーナメントで負傷者続出のため)!!
一方、交流戦を任された井上はよからぬこを企んでおり・・・・・・。
用語
交流戦
ヴァルキュリアと殺戮武闘会による対抗戦。双方3名の選手を出して勝ち星の数を競う。
惨歯組の非礼の詫びとして李昭信(り・あきのぶ)が提案した。
魂神流空手道(こんしんりゅうからてどう)
”病魔”雪平さらの流派。
フルコンタクト団体「冥道会館(めいどうかいかん)」から独立。
「実戦での闘い」の技術を追求した流派。
部位鍛錬や型を排して禁じ手は一切なし。
あらゆる攻撃を認める狂気の試合ルールで知られる。
登場人物
李 昭信(り あきのぶ)
仁和組若頭並びに李神会会長。髪をオールバックで固め眼鏡をかけている。
インテリヤクザといった風貌。
神宮寺組に手を出した井上を本家に呼びつけて叱責する。
神宮寺組の先代は仁和組の会長と兄弟分で、会長はハナを娘のようにか気にかけているため気をつかっている。
剛野 剛(ごうの ごう)
仁和組本部長並びに夜狼組組長。禿頭で顔に傷を持ち非常に体格が良い。
典型的な強面ヤクザといった風貌の持ち主。
李からもオールドタイプと称される。
雪平 さら(ゆきひら さら)
”病魔(びょうま)”。魂神流空手道の使い手。
極度のナルシストでありマゾヒスト。殺戮武闘会では対戦相手を1人死亡させている。
ただし、李昭信によればあくまでもリング禍であるとのこと。
魂神会のモットーは「男女平等」であるため、男性陣と全く同じ稽古をしてきた。
それによって並外れたタフさを得ている。
苦痛と自己陶酔でトランス状態になり、相手を徹底的に潰すまで止まらなくなることがある。
渡辺 カレン(わたなべ かれん)
”殺人女王(マダークイーン)”。殺し屋を生業とする。
仁和組の下請けでフリーランスのアサシンをしていた。
殺し屋は格闘技で強い必要はないが、カレンは素手でも強いタイプ。
殺戮武闘会では対戦相手を3人殺しており、李昭信からは快楽殺人者と言われる。
井上菅也(いのうえ・すがや)から秘かに美谷はなの暗殺を依頼されている。
爪を研ぎ澄まし、補強材で固めて「凶器」にしている。通称「悪魔の指(デモンズフィンガー)」。
葉月 ゆう(はづき ゆう)
”継ぎ接ぎの怪物(パッチワークモンスター)”。
瀬名りくに勝るとも劣らない体格の持ち主。ファイトスタイルはボクシングで、非常に高い技術を誇る。
過去に重傷を負った際、骨の大半をチタン製に交換しており、それゆえに尋常でない頑強さを誇る。
世界観を共有する「ケンガンアシュラ」と「ケンガンオメガ」に登場する”中”の人間であることが示唆されている。
感想
交流戦開始!!
・・・と思いきやメンバーが足りないという事態におちいるヴァルキュリア。
そんな中、瀬名りくの提案で伊織いちかに白羽の矢が立ちます。
この提案に希望とハナは乗り気に・・・。
本人は嫌がっていましたが、それ以前にイチカが警察官だって忘れていないでしょうか?
裏格闘技団体の運営に関わっている時点で今更ではありますが・・・・・・。
姫奈も希望(のぞみ)を推しますがこれは却下。
代わりにハナが出場を決意します。
これには筆者も驚きました。
現在はヤクザの組長ですが、それは血縁でしかたなくといった感じですし、前職もクラブホステスとのことで荒事とは無縁といった印象でしたので。
一応、学生時代に希望たちと3人で格闘技ジムに通っていた描写はありましたが、それもダイエット目的とされていました。
そのため戦えるという印象は全くありませんでした。
ただ、イチカはハナの相手を心配する描写があったの不思議に思ったのですが・・・・・。
そして、本番!!
ハナは”殺人女王(マーダークイーン)”と呼ばれる渡辺カレンと対戦します。
美人同士の対戦で会場は大盛り上がりですが、頭を痛めている方が一人・・・。
仁和組若頭の李昭信でした。
本部長の剛野とともに会場に来ていた彼は、ハナの対戦相手に不安を感じます。
渡辺カレンの職業は殺し屋で、李から見ても快楽殺人者だそうです。
実際に殺戮武闘会でも対戦者を3人も死に至らしめていました。
李の不安をよそに試合は開始!!
カレンが先にしかけますが、隙をついてハナがテイクダウンを奪います。
そして、素早く「袈裟固め」の態勢に!!
イチカによるとハナは打撃にセンスはないものの寝技に関しては大天才の部類とのこと。
ハナのペースで試合が進むかと思われましたが、カレンが反撃を開始。
鋭く研ぎ澄ました爪で攻撃を繰り出します。
補強材で固めて強度を上げたカレンの爪は「悪魔の指(デモンズフィンガー)」と呼ばれ、その切れ味で傷を負わせた対戦相手を失血死に追い込んでいるほど。
ですが、ここでもハナの意外な才能が発揮されます。
繰り出されるカレンの攻撃を全てさばききるハナ。
相手の手を掴み絶好の機会かと思われましたが、アゴに一撃を入れられて転倒、そのままカレンの追撃を受けて敗北してしまいます。
実はハナはわざと負けており、拮抗した方が印象が良いと考えての判断でした。
試合後、シャワー室で汗を流していると背後にカレンが現れます。
井上から暗殺の依頼を受けていた彼女はスタンガンでハナを襲おうとしますが、あっさりと返されて逆に自分が電撃を受けるハメに。
これまで周囲にふりまわされてばかりだったハナですが、倒れたカレンを見下ろす姿は極道の雰囲気を漂わせていました。
交流戦はハナの意外な姿が多く見受けられた気がします。
常に着物姿のためあまり活動的な印象がなかったためでしょうか?
運営陣の意外な活躍が見られた第3巻。
交流戦の決着は次巻に持ちこしとなりましたが、どんな結末がまっているのでしょうか?
第4巻に期待しつつ、今回はここまでとさせていただきます。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。