宝島社から発売されている『謎の香りはパン屋から』(著者:土屋うさぎ)の感想です。
第23回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
パン屋を舞台にした日常系ミステリーということで手に取りました。
日常系ということで、殺伐とし雰囲気はなく、パン屋のバイトをしている主人公が身の回りで起きた謎を解決するのがメイン。
安心して読み進められる作品です。
概要
著者:土屋うさぎ
イラスト:出水ぽすか
出版社:宝島社
発売日:2025年1月10日
第23回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作
あらすじ
漫画家志望の市原小春は大学一年生。
学業の傍ら、パン屋〈ノスティモ〉でバイトに勤しんでいます。
ある時、親友の由貴子からライブビューイングに行く約束をドタキャンされてしまいます。
疑問を持った小春は、由貴子の行動を振り返り、ある真相にたどり着くのですが・・・?
登場人物
市原小春
漫画家志望の大学一年生。鋭い観察眼で日常の中の謎を解き明かす。
由貴子
小春の親友。パン屋のバイトを小春に紹介したのは彼女。
堂前店長
〈ノスティモ〉のオーナー店長。パンについて語りだすと止まらない。
福尾
〈ノスティモ〉の社員。
レナ
先輩バイト。シフトの日を間違えて旅行に行ってしまう困った人。
紗都美
バイト仲間。学部は違うが小春と同じ大学に通っている。
感想
行きつけの本屋で見かけた本作を手に取り、帯に書かれたその文字が目に入ってきました。
ミステリーを読んだことはありますが、日常系はあまりないなと思い購入。
イラストを気に入ったことも理由にありました。
日常に潜む謎を主人公小春が解き明かしていく本作。
ミステリーではありますが、陰惨な事件は起きないので安心して読み進められます。
登場人物は良い人ばかり(1人困った人がいますが)。
内容は全5章とエピローグからなっています。
それぞれの章で小春が謎を解いていくわけですが、独立した個々の話かと思っていたら最後の5章で思わぬ事実が明かされます。
本当に些細な出来事だと思っていたので、これには素直に驚きました。
それを知った後で読み返すとまた違った印象を受けます。
主人公の小春は本当に観察眼が鋭く、よく気づくなと思いました。
まとめ
漫画家志望の市原小春が、バイト先のパン屋で出会った謎を解いていく本作。
日常の風景に溶け込んだ謎を、観察眼で見つけ、解決していく小春。
友人の些細な行動から、その理由を言い当てる様は驚きです。
謎の解決後も後味が悪くなることもありません。
興味のある方は一度手に取ってみてください。