ヤングチャンピオンコミックス(秋田書店)より発売中の「片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~」(原作:佐賀崎しげる 鍋島テツヒロ 漫画:乍藤和樹)の第3巻の感想を書いていきます
書籍版を読んで内容を知っているという方も、この漫画版は楽しんでいただけると思います
漫画版で追加されたシーンが多数あり、ベリル以外のキャラクターの心情も多く描かれています
漫画版第3巻は書籍版1巻~2巻にかけての内容で、新しいキャラクターも登場します
ネタバレも含みますのでご注意ください
ゼノ・グレイブル戦後
スレナとの共闘でゼノ・グレイブルを倒した後、ギルドへと帰還するベリル
皆を無事に返せなかったことをメイゲンに謝罪しますが、当のメイゲンは驚いていました
特別討伐指定個体(ネームド)に狙われて全員生存していたこと自体が、奇跡に近いのですから当然です
ネームドが討伐されたことで冒険者ギルドは大騒ぎとなりました
この辺りは書籍版では描かれていなかったシーンです
関係各所への連絡やらネームドの回収班とその護衛の手配など、仕事は山積みです
手当てを終えて休んでいたベリルも、事情を知らないギルドの職員に荷物運びを頼まれていました
慌ててスレナが止めて周囲に事情を説明する一幕も
2人は離れた場所で休むことに
スレナは20年以上会いに行けなかったことに後ろめたさを感じていました
しかし、スレナが元気でいてくれたから構わないと優しく言います
遠くから2人を見ていたメイゲンは、「まるで親子」と評します
実際に2人の関係は年の離れた兄妹か、親子に近いのかもしれません
バルデルの特技
ゼノ・グレイブル戦で剣を失ったベリル
模擬戦で負けが込んでいたクルニと共に元弟子バルデルの鍛冶屋を訪ねます
そこでいきなり詐欺に遭いそうなバルデルを発見
ベリルたちが来たことで未遂に終わりますが、彼はかなりのお人好し且つポジティブな性格でした
ここでバルデルが特技を披露
握手をすることで相手の力量を測るというものでした
クルニは猛牛、ベリルは巨大なタコ(またはクラーケン?)のようなイメージが浮かびます
バルデルからするとベリルはとてつもない怪物ということでしょうか?
ミュイ登場
ミュイ・フレイアも登場します
書籍版以上に切羽詰まった印象を受ける彼女
蘇生魔法に望みを託し、必要な大金を貯めようとしていました
ルーシーの家で彼女を人質に取ろうとしますが、逆に蘇生魔法の存在を否定されてしまします
蘇生魔法を餌にミュイを騙していた輩への怒りを露わにするベリルとルーシー
フィッセルですらも戦慄します
宵闇との戦い
ミュイの案内で宵闇のアジトに乗り込んだ2人
書籍版では瞬く間に制圧していましたが、漫画版では宵闇がかなり踏ん張ります
部下の数も増えており、ベリルもミュイを守りながらの戦いを強いられることに
漫画版の宵闇は複数の魔装具を操って抵抗し、それなりの技量を見せますが、相手が悪すぎました
ルーシーは彼が身に着けている魔装具への対処法を心得ており、多少の不利などものともしません
宵闇ですが強さだけでなく性格もかなり変更されています
書籍版ではミュイの名前すらうろ覚えだったのに、こちらではミュイの魔法の才能を評価して手懐けようとしています
蘇生魔法云々はそのための時間稼ぎだとしています
感想
1~2巻は全体の流れに変更はほぼなかったのですが、この3巻からかなり漫画独自の話の展開を見せます
筆者は先に漫画版から読んだので、後から書籍版を読んでその違いに驚かされました
宵闇とその部下はろくに戦闘シーンもなく一蹴されています
こちらの宵闇は妙な貫禄というか存在感を出しています
もっともルーシー相手では結末は変わらないのですが奮闘する宵闇
逆に可哀そうな気もしますから不思議です
彼にはどんな結末が待ち受けるのでしょうか?
漫画版の展開に期待しつつ、今回はここまでとさせていただきます
ここまでお付き合いいただきありがとうございました