小説投稿サイトの登場で、多くの作品が書籍化されるようになりました。
ジャンルも豊富で、そのすべてを把握するのは非常に難しいと思います。
筆者はこれまで650冊以上のライトノベルを読んできましたが、世に出た作品の数に比べれば微々たるもの。
それでも実際に筆者が読んだ作品をご紹介することで、まだ読んでいない方や読む作品を探している方の助けになれば幸いです。
今回はHJ文庫より発売中のライトノベル作品「凶乱令嬢ニア・リストン~病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録~(著者:南野海風 イラスト:刀 彼方)」第6巻をご紹介します。
ネタバレを含みますのでご注意ください。
1~5巻をまだお読みでない方はこちらをご覧ください。
1~3巻までならAmazonの電子書籍サービスKindle Unllimitedにご登録いただければ月額980円で無料で読むことができます。興味のある方はこちらからどうぞ
あらすじ
武闘大会の開催が正式に告知され、各国の猛者たちが動き出します。
ニアの弟子たちも大会に向けてそれぞれ動きます。
そんな中、ガンドルフに問題が発生。
天破流総本山からやってきた師範や師範代たちに八百長を迫られたのです。
ニアに相談した後、ガンドルフは彼らを相手に大立ち回りを演じます。
彼の覚悟を見届けたニアもフォローに動きます・・・。
アンゼルも恩人が自分の優勝に大金を賭けたことを知らされ、大会での優勝を決意。
武闘大会の波紋は確実に広がっていました。
同時にニアはウィングロードの存在を知り、魔法映像(マジックビジョン)に活かせると判断。
その普及に乗り出します。
用語
ウィングロード
飛行皇国ヴァンドルージュで生まれた単船を使った競技の総称。
複数の単船で速度を競うレース。
単船技術を競うトリック。
チームによる編隊飛行であるフォーメーション。
これら3つの総称がウィングロードとなる。
本家脚龍(ほんけきーろん)
武勇国ウーハイトン台国に存在する暗殺集団。アルトワール王国の脚龍は分家に当たる。
武勇国ウーハイトン台国
本家脚龍が存在する国。天破流発祥の地とも言われている。
勇星会(ゆうせいかい)
スレンクラッド王国にある勇者育成機関。世界最古にして世界一有名な組織。
スレンクラッド王国
勇星会のある国。建国したのが勇者。
登場人物
ニア・リストン
本作主人公。武闘大会と並行してウィングロードにも関心を示す。
ガンドルフの後始末として天破流総本山の面々を相手に大暴れ。
リノキス・ファンク
ニアの専属侍女であり一番弟子。さらに冒険家リーノとしても活躍している。
今回は武闘大会への参加を魔法映像を使って宣言。
ニアのお供で魔法映像の撮影現場にはよく行っていたが、出演者としては初めてとなる。
普段は塩対応だが、ガンドルフが捕まった際は慌てる。
ガンドルフ・ローゲン
武闘大会への参加に燃えていたが、本山からやってきた師範たちから八百長を迫られ悩む。
ニアに相談した後、八百長を迫った連中を叩きのめす。
一時は警察に拘束されるが、正当防衛が認められて釈放される。学院からもお咎めなしだった。
アンゼル
ニアの弟子で酒場のマスター。元は裏社会の用心棒だった。
世話になった恩人のために武闘大会で優勝しなければならなくなる。
フレッサ
ニアの弟子で裏社会の暗殺者。普段はアンゼルの経営する酒場で給仕のバイトをしている。
実はニールのファンであることが発覚。アンゼルの下に舞い込んだニール警護の依頼に強引に同行、かなり暴走気味な姿を見せる。
リネット・ブラン
ニール専属の侍女。フレッサに負けず劣らず暴走気味。とある事情でニールに危険が迫ったためフレッサと2人で犯人たちに襲撃を行う。
ニール・リストン
ウィングロードに興味を持ち、敬遠していた番組撮影にも参加。
シャール・ゴール
アルトワール学院準放送局に所属する中学部2年生。ウィングロードに強いあこがれを持っている。彼を通じてニアがウィングロードに知ることに。
クゥ・ユンシェイ
本家脚龍の長。
トーハゥロウ(トーハ)
キツネ耳の獣人の女性。勇星会の一員。
サウザン
勇星会の一員。トーハと共に武闘大会に参加する。
レィタオ
天破流師範代。ガンドルフとは同期で互いに切磋琢磨していた。
ベッカー・ガイルマン
「赤剣のベッカー」と呼ばれる有名な冒険家。リーノの情報を求めてアンゼルの酒場に入り浸る。
カフス・ジャックス
アルトワール王国裏社会の支配者。アンゼルの恩人であり、彼に武闘大会への参加を指示する。
感想
武闘大会の開催が決定し、各地で猛者たちが動き始めます。
ニアの弟子たちもその内に入っており、彼らにも大会の余波が押し寄せます。
ガンドルフは天破流の総本山からきた連中と対峙することに。
アンゼルも恩人から自分の優勝に大金を賭けたことを知らされて覚悟を決めます。
ニアはガンドルフのサポートのために自らも天破流総本山の面々と対峙。
同時にウィングロードと呼ばれるレース競技に可能性を見出し、セドーニ商会に働きかけて普及しようとします。
まだ武闘大会ははじまっていませんが、それに伴う動きが物語の各地で出始めます。
ガンドルフは大きな流派ではありそうなことですが、力技で解決します。
今回わかったことですが、冒険家リーノ(とセドーニ商会)は関係各所から恨みを買っているということ。
セドーニ商会はリーノを通じて大儲けしているので当然、同業者からやっかまれています。
リーノ本人も冒険家ギルドの代表から恨みを買っていました。
ギルドには登録の際に出向いただけで、魔獣狩り以外の手続きをセドーニ商会に一任していたために起こったことです。
リーノが有名になればなるほど冒険家ギルドへの問い合わせも殺到、でも本人に関して答えられることがない。
代表も複雑な心境を抱いたようです。
リーノ(とセドーニ商会)に恨みを抱く面々は、伝手を頼って世界各地から強者を呼び寄せます。
目的はセドーニ商会への仕返し。
ただ、セドーニ商会としてはリーノを抱えているわけではないので対応に困っています。
むしろ向こうからやって来たのでどうしようもないのですが・・・。
その辺の事情は誰も知らないのでしかたがないでしょう。
裏社会の代表だけはおおよその事情は知っているようです(ニアが闇闘技場でもめたので)。
この人物がアンゼルの恩人でアルトワール裏社会の支配者、カフス・ジャックスです。
当然、アンゼルの酒場に出入りする少女のことは知っているでしょうし、そこからニア・リストンに行きつくのは簡単。
実はアンゼルではなく、闇闘技場で騒ぎを起こした少女(=ニア)を参加させようとも考えていたようです。
探す過程でその正体に気づいた可能性はあります。
もしかするとアンゼルが強くなった理由が、ニアにあることも気づいているのかもしれません。
ニアとリーノのつながりを知っていて、更にアンゼルの成長の理由がニアにあると見抜いているなら、5百億クラムの賭けは無謀な勝負ではないということになります。
ただの博打ではなく、カフスなりの勝算があったということです。
かなり食えない人物のようですね。
今回は一気に登場人物や国家が増えました。
本当に世界各地から強者が集まってくる感じです(それでもニアには物足りないのですが・・・)。
次巻からはいよいよ武闘大会がはじまります。
ニアの弟子たち以外にも強豪がひしめく中、最後の勝ち残るのは誰なのか!?
武闘大会の行方に期待しつつ、今回はこれまでとさせていただきます。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。