裏サンデーコミックス(小学館)より発売中の「一勝千金(原作:サンドロビッチ・ヤバ子 作画:MAAM)第1巻をご紹介します。
本作は同じく裏サンデーコミックスより発売中の「ケンガンアシュラ」、「ケンガンオメガ」、「ダンベル何キロ持てる?」と世界観を共有しています。
これらの作品はサンドロビッチ・ヤバ子氏が原作を担当しており、キャラクター同士につながりがあったり、同一の組織なども登場。
実際に「一勝千金」の登場する本郷姫奈が通う皇桜女学院は、「ダンベル何キロ持てる?」の主人公たちも通っており物語の舞台ともなります。
「一勝千金」はサンドロビッチ・ヤバ子氏が原作を担当する作品では最も新しく、これまでの作品とまた違った魅力があります。
それらについて筆者の感想を交えてご紹介します。
ネタバレを含みますのでご注意ください。
あらすじ
裏格闘技に参加していた天馬希望(てんま のぞみ)は、所属団体からクビを宣告されます。
憂さ晴らしに友人たちと飲みに行った帰り、不良たちの乱闘に出くわします。
帰宅した後、友人たちとの会話や不良たちの乱闘の光景を思い出し、ある事を思いつきます。
それは女子専門の裏格闘技団体を立ち上げるというものでした・・・・・・。
裏格闘技団体ヴァルキュリア。
希望・いちか・はなが協力して立ち上げた裏格闘技団体。
そこに将来のスター選手として迎えいれられたのが本郷姫奈でした。
しかし、彼女は希望たちの予想を上回る”怪物”で・・・・・・!?
用語
ヴァルキュリア
天馬希望が伊織いちかと美谷はなの協力を得て立ち上げた、女子専門の裏格闘技団体。
旗揚げ興行で姫奈が(勝手に)500万円の賞金を提示したため、対戦希望者が殺到することになる。
アンダードックファイト
希望が所属していた裏格闘技団体。ここをクビになったことで、希望はヴァルキュリアを立ち上げることになる。
神の軍勢
化学兵器によるテロを画策していたカルト宗教団体。
教祖の急死によって計画はとん挫し、団体も分裂した。
製造された化学兵器の一部が持ち出された形跡があり、それを本郷姫奈が隠し持っていると言われている。
1DAYトーナメント
姫奈の強さに対戦相手探しに苦労する希望。
瀬名姉妹と柚巴・リーの参戦が決定したため、姫奈を加えた4人でトーナメントをすることにした。
主な登場人物
天馬 希望(てんま のぞみ)
元格闘家。表の世界でかなり活躍していたが網膜剥離(もうまくはくり)によって引退。
それでも諦めきれずに裏格闘技に参加していたが、所属していた団体からクビを宣告される。
一発逆転を狙って女子専門裏格闘技団体『ヴァルキュリア』を立ち上げた。
伊織 いちか(いおり いちか)
警視庁少年課の刑事。元は暴力団対策課の刑事だったが、そりの合わない上司を半殺しにして少年課に異動させられた(実際は飼い殺し)。
希望とは腐れ縁の幼なじみ。
唯一「機動隊所属の先輩」だけは尊敬しているらしい。
美谷 はな(みたに はな)
独立系暴力団・神宮寺組組長。先代組長が愛人に産ませた子供で、先代の急死に伴って組長に就任する。弱小団体の組長として苦労している。
中学時代に希望たちと知り合い、それ以降も付き合いが続いている。
前職がクラブホステスで人を見る目はある。京都出身。
本郷 姫奈(ほんごう ひな)
皇桜女子学院に通う学生。その正体は化学兵器によるテロを画策したカルト宗教『神の軍勢』教祖の養女。
神の軍勢がつくりあげた特殊部隊に所属しており、そこであらゆる戦闘訓練を施された。
戦闘力は極めて高く、ヴァルキュリアに参戦後は全ての試合を瞬殺で終わられせるほど。
神の軍勢の化学兵器を隠し持っているとされ、それを理由に公安警察の監視対象から外された。
革命は彼女自身の目的でもあるらしく、そのための同志を探すためにヴァルキュリアに参戦した。ポケットマネーで500万円を提示して挑戦者を募る。
感想
主人公たちが裏格闘技団体を新たに設立するという変わった物語となっている本作。
裏格闘技団体での闘いを描く原作者が同じ「ケンガンアシュラ」や「ケンガンオメガ」ともまた違った雰囲気を持ちます。
あちらに登場する団体は、物語開始当初から存在し、裏ではありますが有名なものばかり。
運営の3人はそれぞれ問題を抱えており、人生の逆転を賭けてヴァルキュリアを旗揚げしました。
果たして3人はのし上がることができるのでしょうか!?
作中に登場する選手は当然ながら女性ばかりですが、ファイトシーンは男性に負けず劣らず迫力があります。
本郷姫奈が強すぎる!!
彼女の強さもさることながら、そのバックボーンが世界観のつながりを感じさせます。
皇桜女学院に通っているのにも驚きましたが、「ケンガンアシュラ」に出てきた”神の軍勢”と関わりがあったとは・・・・・・。
しかも、教祖である高橋超源(たかはしちょうげん)の養女!!
高橋超源は「ケンガンアシュラ」本編の回想シーンに登場しましたが、若い印象を持っていたので養子とは言え子供がいたことには普通に驚きました。
こういったつながりは面白く感じます。
複数の作品が交差する中で物語が進む「一勝千金」。
ヴァルキュリアの行く末は!?
希望たちはどうなっていくのか?
これからの展開に期待しつつ、今回はここまでとさせていただきます。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。